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2008年07月23日
 高岡駅で、
 城端線に乗り換えたら、
 でっかい声で
 「井波へ行きたいけれどお」

 まわりの女子高生は
 うつむいていた。

 なにかピンときた。

 若い車掌さんがにこやかに、
 電話で問い合わせている。

 「むかし行った事あるが」

 90歳くらいの
 小柄なおばあちゃんだった。
 腰をかがめて、横まで行って、
 同じ目線で、お話した。
 

 「福野という駅から
  タクシーですぐですよ。」

 福野から、廃線になった加越線が
 出ていた頃に乗られたことが
 あるのだろう。

 お太子伝」への参詣だろう。

 車掌さんは、砺波駅からバスがある。
 砺波駅で駅員に話してください、と。

 太子伝のお客のために
 立派な駅舎も残っている。
 久しぶりに、懐かしい人に
 出会った気がする。
 
 絵解きをうまくできた、ごぼはんには
 廻ってくる竹のザルに
 お布施がたんまり集まる。

 このお賽銭を集める長い柄つきの
 竹のザルは、氷見床鍋で作られた。
 
 もう絶えただろう竹細工の
 最後の製品は、いまも
 アトリエに飾っている。

 日本唯一の絵解き。
 なんとか復活させたいものです。
 日本の元祖・究極の話芸です。
 


プロフィール
 
石崎光瑤に感動し、棟方志功に共鳴するお仕事です。運転しないから、人の行かない裏通りや、細い道をひたすら歩く。そこで見つけた話を紹介したい。 曼珠沙華 瞳に写り 気もそぞろ  あさぎり
作者名 奥のほそみち
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